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WEEKLY COACH 特別インタビュー

頑張れ!ラグビーUコーチ・トゥエンティワンがサポートする有水剛志氏 U20日本代表チームのFWコーチに就任

5月18日(火)に開幕した「IRBジュニアワールドラグビートロフィー2010」(ロシア)。 今大会、優勝の二文字だけを追い求め、来年の「IRBジュニアワールドチャンピオンシップ」(昨年、日本は16チーム中15位となり、今年の出場権を逃している)出場を目指すU20日本代表 FWコーチに、コーチ・トゥエンティワンがサポートをする有水剛志氏(早稲田大学ラグビー蹴球部前FWコーチ)が就任いたしました。

2019年日本で開催されるワールドカップにおいて、主力として活躍することが期待されているU20世代の成長は、日本ラグビー界にとっても再重要テーマの一つ。そんなU20日本代表を率いる有水氏に、日本代表コーチとしての取り組みややりがい、そして、今大会にかける決意を伺いました。

有水 剛志 氏
有水 剛志 氏

鹿児島県出身。1997年早稲田大学卒業。在学中は、ラグビー蹴球部に所属。前監督の中竹竜二氏とはラグビー部にて同期。卒業後、日本国土開発に入社。 2000年、ラグビークラブチーム、タマリバクラブの設立に携わる。2006年中竹監督就任時より、母校ラグビー蹴球部のフォワードコーチを務める。 2009年10月、株式会社コーチ・トゥエンティワンのサポートのもと、ラグビー部のフルタイムコーチに就任。2010年3月より、ラグビーU20代表 FWコーチに就任。コーチ・トゥエンティワン提供のリーダーシップ開発のプログラムを受講し、ラグビーでの指導に役立てている。。

2019年に日本で開催されるワールドカップで成果を上げられるよう、強化に貢献したい

-----今回のコーチ選出は、大会の2か月前と大変慌ただしい中での決定でしたね。

そうですね。私が早稲田大学ラグビー蹴球部のコーチを退任したのが3月に入ってから。そして、3月下旬にこのお話をいただき、一週間後には正式に就任となりました。

その後のチームビルディングも急ピッチでした。就任が決まってからすぐに一次セレクション合宿に入り、第二次セレクションで候補者を絞り込みました。昨日まで第一次強化合宿を行い(インタビューは4月30日に実施)、5月8日からの第二次強化合宿で最終調整を行って、本番を迎えるというまさに一日たりとも無駄にはできない2ヶ月間ですね。

昨年は「IRBジュニアワールドチャンピオンシップ」に向け、半年前から始動していたのに比べると、本当に限られた中での取り組みだったといえます。

-----コーチ陣の選出もなかなか大変だったと伺っています。

詳しい事情は分かりませんが、ただ、2か月後の大会を前に、「コーチをやってほしい」と打診を受け、その場で引き受けられる方は少ないかもしれませんね。現在もどこかのチームで指揮をとっている方は、二束のわらじをはくことになりますし、私のように、そのときちょうどコーチをしていなかったとしても、会社に所属している方は、会社からの理解が不可欠。遠征や合宿、大会のため、2か月間も留守にするわけですからね。そういう意味では、こうして快く送り出してくれているコーチ・トゥエンティワンという会社には大変感謝をしています。

-----有水さんがコーチを引き受けた最大の理由は何ですか?

2019年に日本で開催される初のワールドカップで成果を上げられるよう、強化に貢献したい、という気持ちに尽きますね。今回のU20日本代表は、2019年を主要メンバーとして迎える可能性が高い世代です。だからこそ、ここで躓いたら、ラグビー界には大きな痛手となります。

話をいただけた、ということは、「きっと今回、自分は引き受けた方がいいということなんだ」と捉え、快諾しました。しかも、私は、現役時代に代表に絡んだわけでもないですし、候補にもなっていなかった選手。「これは、天命なんだ」と考えました。

合同チームだけに、選手には常に考えさせ、発言する機会を用意し続ける

-----実際、指導をしてみて、有水さんが4年間コーチをしていた大学チームと合同チームとの違いはどんなところにありますか?

とにかく一番の違いは、大学チームに比べて時間が限られていること。同じ練習を二度繰り返すことすらできない、という状況がしばしばあります。だからこそ、トップダウンだけで練習させるのではなく、本人たちに考えさせ、自主的にコミュニケーションを図らせるアプローチが重要です。

例えば、合宿中、社会人チームや大学ラグビー部との練習試合、またチーム内の紅白戦などを行っていますが、こうした試合でも、戦い方については大枠だけ伝えて、あとはメンバーだけで考えさせ、実践させています。

試合後のミーティングでも、コーチングスタッフとメンバー、それぞれが別々にゲームのビデオを見て、お互いの観点で発表するんです。ギャップがあった場合は、お互いそのギャップを埋めるために話し合うなど、とにかく選手には常に考えさせ、発言する機会を用意し続けています。

-----その取り組みは、どのような成果をもたらしていますか?

合同チームの場合、どうしてもリーダーが育ちにくい傾向があります。元々仲の良かった者同士がくっついてしまいがちなので、自然発生的にリーダーが生まれにくいのです。まずはそこから変えたかった。なので、こちらから「今日から○○がリーダー」と決めるのではなく、できるだけ選手全員、一緒の場所でコミュニケーションをとらせて、自然とリーダーが決まっていくような環境を作りました。メンバーが納得して「あいつに付いていこう」と思える、そんなリーダー育成において、自ら考えさせる環境づくりは必須だと思います。

また、ラグビーはゲーム中のコミュニケーションがとても重要なスポーツでもあります。「あうん」の呼吸によって、サインで決められていないようなプレーを次々実践していかなければならいない。そんなとき、日ごろコミュニケーションを図っていない選手同士では、極限状態でのギリギリのプレーは成功しません。体と心を本気でぶつけ合うことで、関係性は強化され、本当の意味で強いチームワークが生まれるのだと思います。

-----10月にインタビューしたとき、CTP(コーチ・トレーニング・プログラム)を受講し始めたと伺いましたが、その成果は今回、どのように役立っていますか?

ティーチングとコーチングを使い分ける際にもっとも機能していますね。特に、今回は、自ら考え、コミュニケーションを図ることで、チームビルディングを行っていますから、「答えを与えない」「本人に気づかせる」ということがかなり重要なウェートを占めています。

私の場合、もともとそういう感覚を持って指導をしていたつもりでしたが、CTPでコーチングについて体系的に学んでいることで、理解の再認識に役立てています。

また、例えば「FWは大丈夫か?」と、仕上がりに懸念を抱かれることもありますが、5月18日の緒戦という一つのゴールに向けた段階的なアプローチをとっていますので、目の前のことに一喜一憂することもありません。これも、コーチングのフローにある「目標設定→現状把握→ギャップの洗い出し→行動決定」というサイクルを身につけたことで、物事を俯瞰的に見られるようになった成果かもしれませんね。

自国ワールドカップに向け、重要な今大会で必ず優勝する!

-----では、最後に、もうすぐ開催される「IRBジュニアワールドラグビートロフィー2010」に向けての抱負を聞かせてください。

緒戦まであとわずかの時間しかありませんが、その間、技術や戦術はもちろん、人間的にも強くなってもらえるよう、彼らともっともっと本気の勝負をしていきたいです。

やはり、テストマッチ(国代表同士の試合)というのは、背負っているものが国内の試合とは大きく異なります。大会までの期間、もっともっと精度を上げて、強いマインドでゲームに臨めるように、高いポテンシャルを持つメンバーと一緒に戦っていきたいです。

そして、自国ワールドカップに向け、重要な今大会で必ず優勝し、凱旋帰国を果たしたいと思います。

-----そのときは、またこのメールマガジンでインタビューさせていただけますか?

もちろんです。次は、優勝報告させていただけるよう、頑張ってきます!

-----頑張ってください! 今日はお忙しい中、ありがとうございました。

【インタビュー実施日 2010年4月30日】
(聞き手・カメラ コーチ・トゥエンティワン 花木 裕介)

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