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「顧客価値の創造」は、企業が事業を継続する存在意義において最も重要なテーマの一つです。社員が顧客の視点に立って日々考え、行動している組織をつくるには、どのような上司のリーダーシップが必要なのでしょうか。

今回の調査では、会社へのロイヤリティが高い職場において、顧客志向が高い組織と低い組織それぞれに関して、上司の関わりがどのように異なるかを調べてみました。日本では海外に比較し勤続年数が長く愛社精神が高い社員が多いため、会社へのロイヤリティが高い職場を前提とし、今後の企業の事業成長の可能性を拡大させる上司の関わりについてのヒントを得ようと試みました。以下は、その調査結果です。

図:会社へのロイヤリティ※1が高い組織における、顧客志向が高い※2部下とそうでない部下に対する上司からの関わりの比較

[図を拡大する]

※1 「私は、知り合いにこの会社で働くことをすすめたい」の直属部下回答平均が全体平均よりも高い群(対象者92名の直属部下1,189名)。
※2 「私は、顧客(社内顧客を含む)の視点に立ち、相手が何を望んでいるかを常に考えて行動している」の直属部下回答平均が全体平均よりも高い群(対象者65名の直属部下826名)。
※3 リーダーシップに関する項目の対象者毎の直属部下回答平均を顧客志向が高い群・低い群それぞれ平均し、差分を算出。
※4 偏差値:※1※2の該当項目それぞれ、対象者単位の直属部下平均スコアより算出。

上司からの関わりに対する部下評価の差を調べたところ有意差があったものが、右の帯グラフに示した6項目です。「顧客志向が高い部下」の上司は、「そうでない部下」の上司に比べ、部下の業務推進のための会話の時間を確保し、部下に自発的に考えさせて意見を引き出すとともに、目標進捗に関してフィードバックしているという傾向が見受けられます。

自社を大切に思う職場では、上司からの問いかけが、部下の目を外へ向け、職場の顧客志向を高め、会社の持続的成長を可能にしていくように思われます。

顧客価値の創造のために、あなたは部下に何を問いかけますか。

調査概要

調査対象:リーダー185人の部下2,285人
調査内容:Executive Mindset Inventory(EMI)
調査期間:2011年9月~2019年7月