組織のトップの多くは、既存のルールや慣例を破り、新しい道を自ら切り開いてこられた経験をもっています。しかし、そのようなトップのリーダーであっても、イノベーティブな組織をつくることに"成功している"と感じている人は多くないようです。リーダーからは「新しい提案や企画があがってこない」という悩みをよく聞きます。

変革志向のリーダー(※1)が、自分自身だけではなく組織もイノベーティブであると感じているとき、組織はどのような状態なのでしょうか。

図1は、変革志向のリーダーが考える「イノベーティブな組織(※2)」と「イノベーティブではない組織(※3)」の社員の特徴を調べた結果です。

図1. 変革志向のリーダーが評価する「イノベーティブな組織」と「イノベーティブではない組織」の社員の意識の違い(※4)

■イノベーティブではない組織で働いている社員 ■イノベーティブな組織で働いている社員

※: p < .1
n=イノベーティブな23組織の社員(※2) と イノベーティブではない29組織の社員(※3)、一社平均132人の回答
7段階評価(1.全くあてはまらないー7.とてもよくあてはまる)
コーチング研究所調査 2016年

変革志向のリーダーが組織はイノベーティブであると認識しているとき、社員は理念に共感し、強い目標達成志向や顧客志向で働いていることが伺えます。

イノベーションを起こすには、新しい一歩を踏み出し、既存の慣例や仕組みを変える必要があります。
しかし、組織という集団には、強い慣性の力や群れのルールが働いて、変化を起こすことは簡単ではないでしょう。そんな時、「目標達成」「顧客視点」「企業理念」を軸に、組織の現状を点検し、社員と今回の調査でみえた3つの視点から、対話を進めていくのはいかがでしょうか。

※1
変革志向のリーダー:組織のトップのリーダー120人のうち、「過去の成功パターンに拘らず、新しい事を取り入れている」の質問に対する自己回答が、平均点以上(7段階評価)の88人

※2
※1のリーダーのうち、「組織は過去の成功に拘らず、常に新しい考え方やり方を導入している」の質問に対して、6・7(7段階評価)と回答したリーダー23人の組織

※3
※1のリーダーのうち、「組織は過去の成功に拘らず、常に新しい考え方やり方を導入している」の質問に対して、1-4(7段階評価)と回答したリーダー29人の組織

※4
社員が回答した、自身の行動や意識に関する32項目から認識の差が大きかった3項目を比較

調査概要

調査対象: 組織のトップのリーダー120人の組織(社員30名以上の組織、一社平均132人)
調査期間: 2011年9月~2016年7月
調査方法: ウェブアンケートへの回答
調査内容: Executive Mindset Inventory