国際コーチ連盟(ICF) Research portalサイトへ研究結果を公開(2013年)
コーチングの効果を最大化するコーチの行動・構造とは何か?
コーチ・エィの研究開発機関であるコーチング研究所では、コーチングの効果を最大化するコーチの行動とコーチングの構造について調査を行いました。利用データは、コーチング後の振り返りを行うシステムCSESによって収集されたものを利用しました。これまでは、コーチ自身に対しての調査が多かったのですが、コーチングを受けたクライアントにもアンケート回答を実施していただきました。14カ国93人のコーチによって行われた332件のコーチングデータを利用しています。
利用したアセスメントCSESは次のような2つのカテゴリーで構成されています。
・コーチの行動(聞く、質問等)に対してのクライアントの評価 18項目
・コーチングを受けてクライアントが実感した効果 22項目
質問項目の詳細は、こちらに記載しています。また、文書内のグラフでは、質問を省略した文章を用いています。上記質問項目の他、アセスメント実施時に実施回数、電話か対面か等のコーチング属性情報も合わせて収集しています。
今回はクライアントの回答を分析しましたが、コーチ自身の回答傾向やクライアント回答との差異についても引き続き分析をしていきます。また、各国でのデータが増えることで国別の特徴についても今後分析結果を発表していきたいと考えています。
調査結果
(1) データの平均結果および傾向
(2) 具体的な目標設定と現状整理がコーチングの効果をあげる
(3) コーチングの時間が長いほど成果が上がるわけではない
(4) コーチングの頻度をあげると成果がある
(5) 電話と対面のコーチングには違いがある
(6) 経験を重ねたコーチほど、意思決定を相手にゆだねる
調査結果
- 使用尺度:
- 自社開発 Coaching Skills Evaluation System (以下、CSES)
- 全43問:
- 選択式40問(5段階評価設問)、自由記述3問
- 回答方法:
- ウェブ
コーチング終了後、コーチングに対する本人の自己評価と、クライアントの他者評価を回収 - 回収期間:
- 2013年1月~2013年6月
- 収集エバリュエーション数:
- 332件
CSESとは?
コーチング終了後の振り返りを実施できるWebシステムであり、世界中のコーチに無料でサービスを提供しています。現在、世界27カ国約800人のコーチに利用されています。このシステムによって、コーチはコーチング終了後にクライアントからフィードバックを簡単にもらうことができます。コーチの行動をコア・コンピテンシーに則った18項目の視点から、コーチングの成果を22項目から、自分のコーチングがどれくらい効果的だったのかを数値化して把握することができるのです。また、世界中のコーチの平均点がリアルタイムで表示されているため、自分のコーチングの強みや弱みを知ることもできます。