株式会社コーチ・エィ(代表取締役社⻑:鈴⽊義幸)は、当社のコーチング研究所が実施した、組織の目標に向けたマネジメントに関する調査結果をまとめたレポートを発表しました。
企業経営における目標管理は、競争激化やグローバル化の進展によりますます重要視されています。その中で、企業のマネジメント層には、目標達成を通じて社員の成長とエンゲージメントを促進し、行動をドライブさせていくことが求められています。
コーチング研究所では、組織の通期目標に関する認識と上司・部下の関わりに関する調査結果をベースに、コーチ・エィのエグゼクティブ・コーチングを受けているリーダーを対象とした当社独自のアセスメント結果を考察に加え、目標追求に向けたマネジメントに関するレポートをまとめました。
本レポートの詳細な内容は、コーチング研究所が発行するレポート「組織の健全な目標追求に向けたマネジメントとは」でご覧いただけます。
レポートをご希望の方は、下記URLからダウンロードいただきますようお願い申し上げます。
https://biz.coacha.com/download/cri-research-report06.html
レポートサマリー
●目標について話す頻度が1年に1回程度だと、半数の人が目標について覚えていない
週に1回以上目標について話している人の87%は、目標を覚えていて達成するために行動していますが、半年に1回程度しか話していないと、その割合は32%に減少します。さらに、1年に1回程度では、半数の人が目標を覚えていません。
関連ニュースリリース:目標について話す頻度が高いほど目標に向けて行動を起こしていることが明らかに(2023年3月27日配信)
●部下のために時間をとる頻度が高いほど、部下は自信を感じ、自分から目標を立て行動を起こしている
上司が部下のために時間をとる頻度が週1回以下だと、部下にいい仕事をしていく自信がある割合が48%(ややあてはまる~とてもよくあてはまるの割合)なのに対して、週5回以上だとその割合は約1.3倍の63%でした。
同様に、上司が部下のために時間をとっている頻度が週1回以下だと、自分から目標を立てて行動している割合(ややあてはまる~とてもよくあてはまるの割合)が36%なのに対して、週5回以上だとその割合は約1.5倍の53%でした。
関連ニュースリリース:上司が部下のために時間を取って話すことは、 部下に仕事への自信をもたらす(2023年6月2日配信)
●上司の方が部下より話す頻度が高いと感じている可能性がある
部下のために話す時間をとっている頻度は週に5回以上と答えた上司が約半数、週に1回以下と答えた上司は2割以下でした。
一方で、部下である自分のために上司が話す時間をとってくれていると感じる頻度は、週5回以上が30%、週1回以下が32%という結果で、自分は部下のために時間をとっているが、それと比較して自分の上司は自分のために時間をとってくれていないと感じていることが分かっています。
●部下が安心して話しやすい雰囲気で、部下の個性に合わせ、成長を支援することが上司の行動として求められる
部下の目標達の支援には、部下が「上司は自分のために時間を取ってくれている」と感じることが鍵となることから、コーチ・エィが提供するエグゼクティブ・コーチングにおけるリーダーの過去10年間にわたるデータ(2012年10月〜2022年10月) から、部下が「自分のために関わってくれている」と感じる上司と、そう感じない上司との行動を比較しました(図)。両者の間で差が特に大きかった上位5項目は以下のとおりでした。
- 部下と週に10 分以上まとまって話す時間を設けている
- 部下の強みや得意分野を引き出し、伸ばしている
- 部下にとって話しやすい・相談しやすい雰囲気である
- 話し⽅、ほめ⽅などが、部下の性格や特徴に合ったものである
- 部下の考え⽅や価値観を理解しようとしている
まとめると、部下が「自分のために関わってくれている」と感じる上司は、定期的に部下と話す時間を設けており、部下が安心して話しやすい雰囲気の中で、部下の個性に合わせ、部下の成長を支援しているといえます。
このことは、コーチがクライアントと関わるときに大切にしていることに通じます。コーチにとってクライアントはパートナーであり、「クライアントのために」関わることは、コーチの基本的なスタンスです。同様に、上司が「部下のために」関わることが目標の追求に有用ということは、組織において上司が部下にとってコーチであるかどうかが、組織の成長に大きな意味をもつといえるのではないでしょうか。
[図] 部下が「私のために関わってくれている」と感じる上司※1と、そうでない上司※2の比較
<レポートに使用した調査>
組織の目標に関するアンケート調査
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査時期:2022年12月20日~12月22日
- 調査対象:社員数100名以上の企業に属するビジネスパーソン
- 有効回答者数:506名
エグゼクティブ・コーチングにおけるリーダーのデータ
- 調査方法:コーチ・エィ独自のアセスメント(Leadership Assessment)
- 調査時期:2012年10月~2022年10月
- 調査対象:リーダー4,003名に対する部下42,209名
コーチング研究所とは
コーチング研究所は、株式会社コーチ・エィの研究開発部門です。コーチ・エィが長年培ってきた「組織開発に向けたコーチング」の豊富な経験とリサーチ実績をもとに、人と組織の状態を可視化し、コーチングの可能性を科学的な視点から読み解く活動をしています。また、コーチング研究所のリサーチデータは新商品の開発や既存のサービスの品質向上に活用されています。
株式会社コーチ・エィ
コーチ・エィは、1997年創業(当時はコーチ・トゥエンティワン)のエグゼクティブ・コーチング・ファームです。「人は関わりの中に存在する」という考え方のもと、個人の成長支援にとどまらず、個人を取り巻く関係性に焦点をあて、システミック・コーチング™というアプローチで、組織全体の成長を支援する対話型組織開発を推進しています。創業以来、多数のコーチング関連書籍を出版し、日本におけるコーチングの普及・拡大に貢献してきました。
東京、ニューヨーク、上海、香港、バンコクに拠点を構え、5つの言語(日本語、英語、北京語、広東語、タイ語)でグローバルに事業を展開。コーチング研究所(CRI)という専門のリサーチ部門を備え、豊富なコーチング実績の分析データをもとに、エビデンスに基づいたコーチングを提供しています。
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